X(旧Twitter)で気になるポストを見つけた時、「後で読みたいけれど、投稿者に知られるのは避けたい」と感じた経験はありませんか。私がXをリサーチで使う際も、この点は非常に重要です。結論から言えば、ブックマーク機能は相手に一切通知されません。
この記事では、Xのブックマーク機能がなぜ通知なしで使えるのか、その仕組みを徹底解説します。2024年6月に仕様変更があった「いいね」との決定的な違いや、安全に情報を保存するための戦略的な使い方まで、詳しく掘り下げていきます。
X(旧Twitter)のブックマーク機能とは?
Xのブックマークは、情報を自分専用に保存しておくためのプライベートなツールです。プラットフォーム上での他者との交流から意図的に切り離されており、自分の関心を他人の目を気にせず記録できます。
核心|ブックマークすると相手に通知は届く?
この機能に関する最も重要な疑問は、「ブックマークすると相手に通知が届くか」という点です。
明確に回答します。いいえ、届きません。ポストをブックマークしても、投稿者や他のどのユーザーにも通知は送信されない仕組みです。これはブックマーク機能の最も基本的な特性であり、完全にプライベートなアクションとして設計されています。
ブックマークの基本的な使い方
ブックマークの役割は、特定のポストを保存し、後から簡単に見返せるようにすることです。情報の流れが速いタイムラインで、興味深いコンテンツが埋もれてしまうのを防ぎます。
ブックマークの追加方法
- モバイル(iOS/Android)|ポストの下にあるリボン形状のブックマークアイコンをタップします。または、共有アイコンから「ブックマーク」を選択します。
- ウェブ(PC)|ポスト直下にあるブックマークアイコンをクリックするだけです。
ブックマークの閲覧方法
保存したブックマークは、メインのナビゲーションメニューにある「ブックマーク」からアクセスします。ブックマークした日付の逆時系列順(新しい順)で一覧表示されます。
完全にプライベートな設計
ブックマークは、その設計思想の根幹にプライバシーを置いています。
ユーザーがブックマークしたポストのリストは、厳格にプライベートとして扱われます。投稿者やフォロワーを含む他の誰も、あなたのブックマークリストを閲覧できません。
一方で、ポストが受け取ったブックマークの「総数」は、「いいね」や「リポスト」の数と並んで公開表示されます。重要なのは、この数字をタップしても、誰がブックマークしたかのユーザーリストは表示されない点です。これは、実行したユーザーが表示される「リポスト」とは明確に異なります。
ブックマークと「いいね」の決定的な違い
Xでのリアクションを理解する上で、ブックマークと「いいね」の比較は不可欠です。特に2024年6月の仕様変更は、これら二つの機能の使い分けを大きく変えました。
2024年6月の仕様変更|「いいね」も非公開になった?
2024年6月頃、Xは大きな仕様変更を実施し、すべてのユーザープロフィール上の「いいね」タブをデフォルトで非公開としました。
これにより、他のユーザーがあなたの「いいね」したポストの一覧を閲覧することはできなくなりました。他者の評価を気にせず、ユーザーが自由にコンテンツに「いいね」できるようにすることが目的とされています。
仕様変更後も残る通知の差
「いいね」タブが他人から見えなくなった一方で、中核となる通知の仕組みは変更されていません。
ポストに「いいね」をすると、投稿者には依然として、具体的に誰が「いいね」をしたかという通知が届きます。投稿者は自身のポストについた「いいね」のユーザーリストを引き続き確認できます。
機能比較|ブックマーク vs いいね
この仕様変更により、両者の違いは「他人にリストを見られるか」ではなく、「投稿者に通知がいくか」という点になりました。私が使い分ける際の基準もここにあります。
| 機能属性 | ブックマーク | いいね(2024年6月以降) |
| 投稿者への通知 | なし | あり(ユーザー名を特定) |
| 実行者の可視性 | 完全匿名 | 投稿者にのみ公開 |
| プロフィールタブ(他者) | なし(タブ自体がない) | なし(非表示化) |
| 主なユーザーの意図 | 私的なキュレーション(自分のため) | 感謝、同意(投稿者に伝えるため) |
Xの通知システムとブックマークの「沈黙」
ブックマーク機能が通知を送信しない事実は、X全体の通知エコシステムにおける意図的な設計の結果です。
通知が飛ぶソーシャルな行動
Xの通知システムは、基本的に「ソーシャルな相互作用」を中心に構築されています。
ユーザーが設定できる主な通知項目は以下の通りです。
- 自分宛のリプライ
- 自分のポストのリポスト
- 自分のポストへの「いいね」
- 新しいフォロワー
- ダイレクトメッセージ
通知されない|ブックマークの意図的な設計
利用可能なすべての通知設定を調査しても、ブックマークに関連するオプションは一切存在しません。誰かが自分のポストをブックマークした際に通知を受け取る設定はありません。
これは単なる機能の欠落ではなく、根本的な設計思想の表れです。通知は、プラットフォーム上での社会的なフィードバックループを駆動するエンジンです。
ブックマークをこのシステムから完全に切り離すことにより、Xはこの機能をソーシャルなジェスチャーではなく、個人的なユーティリティ(道具)として定義しています。他者の評価を介さない、純粋な興味や調査のためのユニークなツールなのです。
ブックマークの高度な活用術と注意点
ブックマーク機能のプライベートな仕組みを理解すると、その実践的な応用方法と、認識しておくべき限界が見えてきます。
私が実践する戦略的な使い方
「後で読む」という基本的な使い方を超え、ブックマークのプライベートな性質は、より戦略的な応用を助けます。私が情報収集で重視しているのは、相手にこちらの動きを悟らせないことです。
- 競合・市場調査|競合他社のキャンペーンや業界トレンドを、自社の関心を相手に悟られることなく静かに追跡・収集します。
- コンテンツの着想|将来のコンテンツ制作のためのアイデアソースとして、優れたポストや示唆に富む議論を集めたプライベートな資料集を構築します。
- ナレッジマネジメント|特定のトピックに関する解説スレッドやデータを集約し、個人的な知識ベースを作ります。
知っておくべき限界とリスク
ブックマーク機能はXのプラットフォーム内では安全ですが、利用する上で認識しておくべき限界や間接的なリスクが存在します。
非公開アカウント(鍵垢)の投稿
非公開アカウント(鍵垢)のポストをブックマークすることはできますが、そのためにはそのアカウントのフォロワーとして承認されている必要があります。
承認されていない場合、ポスト自体を閲覧できないためブックマークもできません。この場合でも、ブックマークというアクション自体のプライバシーは保たれ、投稿者に通知がいくことはありません。
投稿が削除された場合の扱い
ブックマークしたポストが投稿者によって削除された場合、そのポストはブックマークリストから消えてしまいます。
ブックマーク機能はポストのコピーを保存するのではなく、元のポストへのリンクを保存する仕組みであるためです。重要な情報は、別途スクリーンショットなどで保存することも必要です。
人為的な情報漏洩リスク
ブックマーク機能は技術的には安全ですが、最も重大なリスクは人間的な要素に起因します。
- 物理的な覗き見|電車内などでXを利用する際、第三者に画面を物理的に見られることで、プライベートなブックマークリストが漏洩する恐れがあります。
- 偶発的な画面共有|Web会議中に誤ってXの画面を共有してしまい、ブックマークの内容が露見するケースも考えられます。
これらのリスクは、ユーザー自身の状況認識と規律によって管理されるべきものです。
まとめ
Xのブックマーク機能は、投稿者や他人に一切通知されることなく、ポストを非公開で保存するための強力なツールです。2024年6月に「いいね」が非公開化されましたが、投稿者に通知が届く「いいね」と、誰にも通知が届かない「ブックマーク」という決定的な違いは残っています。
ブックマークは、他者の目を気にせずに情報を収集・整理するための純粋なユーティリティです。この記事で解説した仕組みと注意点を理解し、あなたの情報収集活動に役立ててください。

