2023年8月以降、X(旧Twitter)では新規アカウント作成時に電話番号の入力がデフォルトで求められるケースが増加しています。
この変更により、多くのユーザーが「電話番号が必須となった」と感じており、アカウント作成時にこの手続きに驚く方も少なくありません。
これまで、メールアドレスのみでアカウントを作成できていたのに対し、電話番号がなぜ重要視されるようになったのか、その背景や影響について詳しく解説していきます。
電話番号必須化の背景
スパムアカウントやボットの排除
Xが電話番号の入力を必須化した背景には、スパムアカウントや自動化されたボットアカウントの大量作成を防ぐ目的があります。電話番号を登録させることで、アカウントの信頼性を高め、悪意のある行動を未然に防ぐことができます。
スパムや不正な行動を行うアカウントは、通常、短期間で大量に作成されることが多く、電話番号による認証を求めることで、そのような行動を大幅に制限できます。このため、特にマーケティング目的やフィッシング詐欺、フェイクニュースの拡散を目的としたアカウントの作成が減少すると期待されています。
本人確認の強化
Xでは、電話番号を通じてアカウント作成者の本人確認を強化しています。メールアドレスだけでの登録では、使い捨てアドレスを利用した匿名性が高く、不正行為の抑止力が弱いとされています。電話番号を要求することで、個人の特定や追跡が容易になり、プラットフォーム全体の信頼性が向上します。
特に、悪質なユーザーがアカウント停止された後にすぐに新しいアカウントを作成することを防ぐための有効な手段として、この電話番号認証が導入されています。
広告主や企業ユーザー向けの信頼性向上
また、Xの電話番号必須化は、広告主やビジネスユーザーに対する信頼性の向上を目的としています。企業やブランドにとって、プラットフォーム上でのエンゲージメントがスパムや偽アカウントによって阻害されることは大きな問題です。電話番号認証の強化により、ユーザー層のクオリティが向上し、企業はより安心して広告を展開できるようになります。
電話番号なしでアカウントを作成する方法
メールアドレスでの代替登録
電話番号が必須となるケースが増えていますが、実際には電話番号を使わずにアカウントを作成する方法もまだ残されています。Xのアカウント作成画面では、「代わりにメールアドレスを使用する」といった選択肢が用意されており、これを選ぶことで電話番号の入力をスキップできます。
この方法を利用するには、メールアドレスが必要ですが、GmailやOutlookなどのフリーメールサービスを使うことで、手軽にアカウント作成が可能です。
Gmailのエイリアス機能を活用
さらに、Gmailのエイリアス機能を活用することで、複数のアカウントを簡単に作成することも可能です。例えば、ユーザー名に「+」を挿入して「yourname+twitter@gmail.com」といった形式で登録することができます。これにより、1つのメールアドレスで複数のアカウントを管理できるため、電話番号を使わずに登録したい場合には便利です。
電話番号を登録しない場合のデメリット
アカウントセキュリティの低下
電話番号を登録しない場合、いくつかのデメリットが発生します。まず最も重要な点として、アカウントのセキュリティが低下する可能性があります。Xでは、電話番号を利用して二要素認証(2FA)を設定することができます。2FAは、パスワードに加えて、SMSで送信される認証コードを入力することで、不正アクセスからアカウントを守るための有効な手段です。
電話番号を登録しない場合、この二要素認証を利用できないため、パスワードが盗まれたり、アカウントがハッキングされるリスクが高まることがあります。
アカウント作成の制限
また、同じIPアドレスから複数のアカウントを作成しようとすると、スパム行為とみなされるリスクが高まります。特に電話番号なしでのアカウント作成では、システムが「怪しい行動」と判断しやすく、アカウントが凍結されるリスクが伴います。
このため、個人で複数のアカウントを管理したい場合には、電話番号を登録してアカウントの信頼性を高めることが推奨されます。
ユーザー信頼性の低下
電話番号を登録しない場合、他のユーザーからの信頼感にも影響が出る可能性があります。特に、ビジネスやインフルエンサーとしてXを利用する場合、アカウントの信頼性は重要です。電話番号を登録していることは、そのアカウントが実在する人物や企業であることの証明となり、フォロワーや取引先からの信頼を得やすくなります。
アカウントセキュリティと2要素認証の重要性
2要素認証(2FA)のメリット
電話番号を登録することで利用できる二要素認証は、Xのアカウントセキュリティを飛躍的に向上させます。パスワードのみでは、ハッキングやフィッシング詐欺のリスクが高まりますが、2FAを導入することで、万が一パスワードが流出してもアカウントへのアクセスを防ぐことができます。
2FAは、次のような状況で特に有効です。
- 他人がパスワードを知っていても、SMSで送信される認証コードがなければログインできない
- パスワードの流出があった場合に、即座に通知を受けることができる
- 不正アクセスのリスクを大幅に軽減
このように、2FAはアカウント保護のために非常に重要な機能です。
他のセキュリティ機能との組み合わせ
さらに、Xでは電話番号以外にも、セキュリティ強化のための機能がいくつか提供されています。
例えば、セキュリティキーを使用する物理的な二要素認証や、パスワードの定期的な変更などが挙げられます。電話番号の登録は、これらのセキュリティ対策と併用することで、アカウントをより強固に守ることが可能です。
まとめ
X(旧Twitter)における新規アカウント作成時に、電話番号が必須となるケースが増えている背景には、スパムアカウントの排除や本人確認の強化、プラットフォーム全体の信頼性向上といった目的があります。
電話番号の登録により、二要素認証などのセキュリティ機能を利用できるため、アカウントの安全性が大幅に向上します。
一方で、電話番号を使わずにアカウントを作成する方法もまだ残されており、個人のニーズに応じて選択可能です。
ただし、電話番号なしではセキュリティ面でのデメリットが生じるため、特にアカウントの安全性を重視するユーザーは、電話番号登録を検討することをお勧めします。